メキシコ拠点不利!?2020年7月新NAFTA発効 完成車原産地規則4要件!!

メキシコ拠点不利!?2020年7月新NAFTA発効 完成車原産地規則4要件!!

動画解説はこちら!!

 2020年7月、米国、メキシコ、カナダの自由貿易協定である新NAFTA(USMCA)が発効しました。完成車の原産資格を得るには、4つの要件を満たす必要があります。特にメキシコで自動車を生産している場合、原産資格が認められなくなる可能性が高いので再度検証ください。

新NAFTAとは?

特徴

・農産物・工業製品・労働条件・電子商取引などを含む幅広い範囲を含む

・アメリカの酪農家にカナダ市場へのより多くのアクセスを与えること

・自動車の製造における、3国間で製造される割合を増加させること

今回は、自動車分野で原産地規則が厳格化された対象産品のうち「完成車」の原産地規則の4要件につき詳細を説明します。

自動車分野の原産地規則が厳格化

以下が、対象となる完成車や自動車部品です。

完成車 ▶︎ 乗用車・小型トラック

基幹部品(15品目) ▶︎エンジン、リチウムイオン電池等

主要部品(53品目) ▶︎タイヤ、ガラス、ブレーキ等

補完部品(28品目) ▶︎測定装置、配線セット等

完成車の原産地規則の4要件 要件①

完成車の原産割合(RVC)の比率が3年後に75%になります。

完成車  66.0%(2020年)→69.0%(2021年)→72.0%(2022年)→75.0%(2023年)
基幹部品 66.0%(2020年)→69.0%(2021年)→72.0%(2022年)→75.0%(2023年)
主要部品 62.5%(2020年)→65.0%(2021年)→67.5%(2022年)→70.0%(2023年)
補完部品 62.0%(2020年)→63.0%(2021年)→64.0%(2022年)→65.0%(2023年)

完成車の原産地規則の4要件 要件②

下記スーパーコア部品については全て北米原産品でないと完成車が原産品になりません。
①エンジン
②トランスミッション
③車体・シャーシ
④駆動軸・非駆動軸
⑤サスペンションシステム
⑥ステアリングシステム
⑦電気自動車用バッテリー

完成車の原産地規則の4要件 要件③

平均時給(付加給付を除く)16ドル以上の北米地域での労働付加価値割合が下記を満たさないといけません。

乗用車    30%(2020年)→33%(2021年)→ 36%(2022年)→40%(2023年)
小型トラック 45%(2020年〜)

完成車の原産地規則の4要件 要件④

 完成車メーカーが購入する鉄鋼・アルミの域内調達率(前年度に北米で購入した割合)70%以上が求められます。なお、鉄鋼については、発効7年目以降、域内での鋳造加工が義務となり、アルミニウムは10年目以降に再協議となっております。

まとめ

 賃金水準が低く、エンジン・トランスミッション等基幹部品や鉄鋼・アルミニウムの域外からの調達割合が高いメキシコでの自動車生産は、原産地規則を達成するハードルが高くなることが想定されます。
(参考)
自動車組立・部品製造従業者の平均時給
▶︎米国・カナダ20 ドル超
▶︎メキシコ 組立 7.34 ドル 部品3.41 ドル

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