関税が下がると消費税も一緒に下がる!?(消費税8%版)

関税が下がると消費税も一緒に下がる!?(消費税8%版)

輸入時における消費税の課税について

 輸入品には、基本的に消費税がかかります。輸入品を引き取る者が消費税の納税義務を負います。実は関税を削減すると、同時に消費税を支払う金額が下がります。それでは、なぜ、関税が下がると消費税も下がるのでしょうか?

 実は、内国消費税(6.3%)は、CIF価格(端数処理前)と端数処理後の関税額の合計(千円未満切り捨て)に対して課税されます(百円未満切り捨て)。また、地方消費税(1.7%)は、内国消費税額の17/63に当たる額(100円未満切捨て) です。

 したがって、消費税の計算の元になる数字には関税額が含まれているのです。つまり、関税が下がれば消費税計算の元となる数字も下がるので、結果的に消費税も下がるという仕組みです。それでは具体的に計算してみます。

輸入時の消費税の計算方法・・・関税14%の場合

品名Aについて、CIF 価格:534,795 円 関税率:14%の場合

関税額は、534,000(端数切り捨て)×14% =74,760円 → ①関税額

そして、CIF価格:534,795円と関税額:74,700円(端数処理後)を足した609,495円が消費税の計算の元となる金額になります。

消費税の8%の内6.3%が内国税分で、1.7%が地方消費税となりますので、

  • 609,000(端数処理後)×6.3%=38,367 → ②消費税の内国税分
  • 38,300(端数処理後)×1.7%÷6.3%=10,334円 → ③消費税の地方税分

となります。

つまり、税金は、合計(①+②+③)の123,461円となります。

 ここで大事なポイントは、「消費税は、(CIF+関税額)にかかる」ということです。CIFから直接消費税が計算されるのであれば関税額は関係ありませんが、(CIF+関税額)が計算の元になるので、関税が下がれば消費税もその分下がるのです。

 つまり、関税削減はいかにトータルの税金を下げるのにインパクトがあるかご理解いただけたと思います。以下に、具体的に14%の関税がEPAやFTAを活用してゼロになった場合のインパクトの金額を計算してみます。

輸入時の消費税の計算方法・・・関税ゼロの場合

 関税がゼロになれば、先ほどの例ですと①の関税額:74,760円が削減額になると考える方が多いと思います。もちろんこの金額だけ関税が下がるのは事実です。ただ、同時に消費税も削減されますので、キャッシュへのインパクトは更に大きくなります。そこで実施に計算してみます。

 関税はゼロなので、CIFが消費税の計算の元の数字となります。

  • CIF:534,000(端数処理後)×6.3%=33,642円 → ②消費税の内国税分
  • 33,600(端数処理後)×1.7%÷6.3%=9,066円 → ③消費税の地方税分

 そうしますと、税金は合計で(②+③)の42,708円となり、先ほどの合計額との差額は80,753円(123,461円− 42,708円)となります。

 つまり、元々の関税として74,760円の削減の他に、消費税として5,993円が削減された事になります。

 関税が14%から関税がゼロとなると、単純に14%削減されたと考えがちですが、消費税も考慮しますと約15%の削減(80,753÷534,795)となります。日本企業は製品の合理化でコスト削減するのが得意ですが、もし製造コストを合理化を通じて15%削減するとしたらどれだけ大変かご理解頂けると思います。製造業の企業様は日々1%下げる為に、相当の努力をされています。

 しかし、EPAやFTAを活用する事で関税をもしゼロにできれば、売上原価が下がるだけでなく、消費税の負担も低くなり消費税によるキャッシュ流出分を減らすことができます。これは企業の競争力を高める事に大きく寄与します。

 是非、貴社の関税削減を考えられる際には、一緒に下がる消費税も含めて検討ください。

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